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マンガ

ブラック・ジャック

ぶらっくじゃっく

無免許の天才外科医、ブラック・ジャックの活躍を描くマンガ。

治療の対象は人間にとどまらず、馬や宇宙人、幽霊にまでおよぶ。

医療行為を通して戦争や教育、公害差別問題にまで言及し、生命の尊さを描いたオムニバス形式の物語。


作品概要

1973年11月19日号から1978年9月18日号まで秋田書店少年チャンピオン」連載。その後1983年10月14日号まで不定期的に掲載。手塚治虫漫画家生活30周年記念作品として企画された。手塚マンガのキャラクターが総出演し、エピソードにより異なる役柄を演じるスターシステムを取り入れている。生命の尊厳をテーマとしながら主人公はアウトローのキャラクター。当初チャンピオンコミックの帯にあった「恐怖コミックス」のコピーが「ヒューマンコミックス」に変わった辺りにも、この作品の放つ意外性を感じさせる。


ブラック・ジャック

本名は間黒男(はざまくろお)。8歳の時、不発弾の爆発事故で重傷を負うが、本間丈太郎の手術により奇跡的に命をとりとめる。トレードマークでもある顔の左側の黒い皮膚はそのとき移植した皮膚。そのときに皮膚移植で命を救ってくれた混血児である友人・タカシの形見としてそのままにしている。

医大で学んだ経験を持ちながら,肩書きが嫌いなどの理由で医師免許は持たない。モグリゆえの法外な治療費はカネの代償に生命が助かるのなら安いものだという信念によるものだが、それは患者や家族の「治そうとする気持ち」を推し量る売り言葉でもある。

気まぐれであり依頼をにべもなく断ることもあるが、情に篤い面もあり一度受けた依頼には命掛けで取り組む。自然や生命への畏敬の念が強く、治療報酬で孤島を買ったりしている。


ピノコ

エピソード中で最も数奇な生い立ちを持ち、なおかつ愛すべきキャラクター。ある患者に出来た奇形嚢腫(腫瘍・できもの)からブラック・ジャックが外科手術で人間に仕立て上げた。

戸籍上は養子だが、家事はもちろん時には手術の助手もこなし本質的には天涯孤独であるブラック・ジャック唯一の家族で「奥さん」と認めている。有名な台詞では「アッチョンブリケ」「シーウーノーアラマンチュ」などがある。


みどころ

一見クールで非情な金の亡者。だが同時に深い愛情を心に秘めた天才外科医ブラック・ジャック手塚キャラクターの中でも1、2を争う魅力的な存在。天才的な手術の腕前を持つ一方、常に生命について悩み苦しみ続ける。命の恩人で恩師でもある本間丈太郎は自らの死の際、彼に言葉を残す。


「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」


全てが運命に従わねばならないならば、医者など必要無いではないか? 医学マンガの走りであるこの作品は、既に医学の矛盾をも浮き彫りにしている。そしてそれは主人公ブラック・ジャックの苦悩として描かれている。だが、ブラック・ジャックはどんなに悩んでも「人の命を救う」という意志だけは決して崩さない。それはブラック・ジャックの医者としての誇りであり、意地であり、同時に自己の正当化なのだ。自らを「切り刻むだけが全て」と言い放ち、また、自身が大手術によって奇跡的に蘇った彼にとって、医学の否定は自らの否定である。


彼と対照的な位置付けにおかれているのが、ドクター・キリコ安楽死の請負人として闇のうちに仕事を進める彼もまた、医学の矛盾を内に秘めた医師だ。彼は極度の苦しみよりも、死んで楽になる方を選ぶ。彼も医者のはしくれである以上、助かるにこしたことは無いと言う。だが、救えないと分かった以上、苦しみから解き放つための「安楽死」を選ぶキリコと、可能性を残す限り命を救おうとするブラック・ジャックはしばしば対立する。どちらが正しいのかはわからない。クールなブラック・ジャックキリコの前では熱血漢へと変貌する。


ブラック・ジャック医学に対するこのような理念は、そのまま生命に対する深い愛情と崇敬の念にも結びつく。だからこそブラック・ジャックは我々にキレイごとではない本当の「生命の尊さ」を教えてくれる。このように書くと、非常に堅苦しく、難しい物語に聞こえるかもしれない。だが、ブラック・ジャックの本当に凄い所は、こういう深くて重い話を、さらりと読ませるところにあるのではないかと思う。さらりと読み終わった後に、命の大切さを自然と考えさせられてしまう。この「さりげなさ」が、ブラック・ジャックが漫画である事の意義なのだろう。


余談

ブラック・ジャックが取り扱うテーマは時にシビアなものであり、時代に則さない表現や差別用語医学用語の誤用なども散見される。これらはコミックスに収録される際に一部、或いはほぼまるごと描き替えられたり、また倫理上の問題や作者の意志によりコミックス未収録(あるいは新編集の際に削除)となったエピソードもいくつか存在する。手塚治虫没後もコミックスは刊行されているが、時勢により微妙に台詞が変更されている場合もある。また2004年〜放送のアニメーションブラック・ジャックにおいても放送延期、或いはお蔵入りしたエピソードが存在する。


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