ショーン・コネリーのカムバックも束の間、頓挫も囁かれていた007を救ったのは、ソフィスティケートな英国紳士とブラックエクスプロイテーションとの痛快なミスマッチだった。(評価 76点) 二代目で大失敗し、とりあえず渋って嫌がる初代を引っ張り出しても結局その場限り、となればもう袋小路。しかし、そんな窮地を救ったのが、いつもユーモアを絶やさないイングリッシュマンとブラックムービーの一見、有り得ないようなミスマッチの妙味だった。 そんなお助けマンとなったのは、三代目ジェームズ・ボンドことロジャー・ムーア。まさに時は70年代初頭、ニューシネマの洗礼が吹き荒れる中、黄金の60年代にボックス・オフィスを席巻…