ライオンやハヌマンラングールといったものたち、特に群れ(プライド)を成す動物であって、群れのリーダー(もちろんオス)を追い落とした若いオスの個体が、その群れにいるオスたちをかたっぱしから殺すという行動を指す。メスは殺さない。そして、子供が減ったメスライオンは発情し、新しいリーダーと子供を作る。
ライオンたちがなぜこういった行動をとるかというと、それはリチャード・ドーキンスによる「利己的な遺伝子」の理論にぶち当たる。オスライオンは、他のオスの遺伝子だけを持つ子を嫌い、自分の遺伝子そのものが残せるような行動を取る。これがブルース現象でである。だから、自分と同性のオスライオンは殺し、自分の遺伝子を受け取ってくれるメスライオンは殺さない。そして、子供を殺されたメスライオンは、オスにとっても都合よく、種族を残すためにも「発情」するという。