嫌な夢だった…。チグサはおれの顔を見ると子犬のように尻尾を振って寄って来ると思っていたのは自惚れだったのか? 信じられないことにシカトされたのだ。 おれのことなんか眼中にないかの如く一瞥もくれない。否、向こうからやってきたチグサと行き交う際、チラッと横目を送ってきたようにも感じられる。おれが誰かなんて気付いていない。只の通行人でしかない? 違う!行き交ったチグサの表情はゾッとするほど冷淡だった。あれは気付いていながら無視している目だ。何故、たかが夢のことでこんな気分になるのだろうか? 一週間はあっという間に過ぎた。2023年12月23日 第68回有馬記念を翌日に控え、おれは近くの焼鳥屋でいっぱ…