チェコ西部の地域。プラハとその周辺を指すことも。
ボヘミアン・ラプソディ最終話王ボジェクⅢ世にして皇帝ボジェクⅠ世 西暦1050年5月、28歳のボジェクが父王から全てを継承してボヘミア国王ボジェク3世を名乗り、ソルビア王国及びポーランド王国を兼ねた中央欧州を支配する強大な王となった。混乱した父王の即位後とは異なり、豊かな財源と強大な軍隊、平和な王国という安定した治世が始まる。だが、王自身はそうではなかった。控えめで穏やか、欲張りも威張りもしない性格のボジェクⅢ世にとって、三つの王冠はあまりにも重すぎた。王として威厳のある存在で自分をいさせるために己に文字通り体に鞭を打ち、苦行を課すことで精神を安定させるという有様であった。そんな彼を救ったのは…
www.youtube.com 「スペースマン」を見た。こういうのを見るためだけに生かされております。酸素吸引させていただいております。 足が複数ある蜘蛛様の宇宙人との邂逅を描いた映画であった。真っ先に思い出したのが「プロジェクト・ヘイル・メアリー」でした。宇宙人の相貌の特徴がかなり似ていたので、一瞬「これが例のプロジェクト~の映画化か!?」と勘違いしてしまった。違った。こちらの原作は『ボヘミアの宇宙人』らしい。面白かったので、原作が日本語訳されていたら読んでみたい。 宇宙人って、ギョッとするよなあ。見た目がさ、基本的には人間の想像も及びつかない形状を取り得るわけで。いくら友好的でもその見た目…
ボヘミアン・ラプソディ第9話名士王ボジェクⅡ世 西暦1013年、11世紀に入って初めてボヘミア王に即位したボジェクⅡ世の治世は大きく三つに分けられる。偉大なる父王たる敬虔王の戦争の後始末と兄弟殺しを犯してまで王国の安定を求めた前期、封臣たちの反乱による二度の「分権戦争」とその敗北と勝利による混乱の中期、家族を愛したことで名士王と呼ばれ、そしてその家族を失う晩年の後期である。 ではまず前期から語っていこう。 父王から19歳の若さでボヘミア王を継承したボジェクⅡ世であったが、彼は男兄弟が多かった。彼自身も次男であり、継承権は生母たる王妃の強力な推薦と長男の修道院への出家によるものであった。三男でソ…
ボヘミアン・ラプソディ 第8話 敬虔王ボジェク 西暦991年9月、父王フヴァルの短い治世が終わり、新たにボヘミア王に即位したのは37歳の長男ボジェクであった。父王よりも若く即位した新王の治世は、長く安定することが期待されたが、ボジェクという人物には王としてやや問題があった。彼はかなり内向的な性格の持ち主であり、多くの人と接し、またそれらを支配する者としての社交性に欠けていたのである。そしてそのことはボジェクが王になって1年も立たずに表面化する。宮廷という社交の場に彼の精神が悲鳴を上げたのである。彼にとって華美な王宮は黄金で飾られた檻でしかなく、ストレスと王冠の重圧で潰れる日も間近かと思われた。…