〈春〉が描かれてから540年余り。現在は「結婚を祝う絵」と考えている人が多いようです。 でも、それって間違いです。私の考えがオカシイと思う方は、どうぞ反論なさってください。 〈春〉の画面右端にはゼピュロス(西風)が描かれています。最近の解説で、彼の色(蒼白)を説明しているものにお目にかかる事はまずありませんが、私はいつもこんな風に言っています。『結婚式に黒いネクタイを締めて行くようなものだ』 絵を見るだけの人にとっては、さほど気にならないのかもしれませんが、注文主にとっては由々しき問題です。 ボッティチェリに「結婚を祝う絵」を依頼して(ルネサンス当時、注文を受けずに絵を描くことなどありません)…