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マイクロテロ

(一般)
まいくろてろ

対象や場所や時間を選ばずに、相手を害したり、物を破壊したりすること。偶発的犯罪行為。
個々の事件に直接の関連性はないが、メディアや口コミを通じて連鎖的に波及し、社会の関係性を破壊していく犯罪行為。暴行や殺人などの自分より力の弱いものに対する危害や虐待、社会的マナーの欠如などが、その例である。
また、対象も場所も時間も選ばないそれは、一見して「目的も動機も不明な犯罪」として受け止められ、結果、「漠然とした社会不安」となって蓄積する。


関連:
サイレントテロ
自爆テロ
テロ


解説:
その性質面を見るに、広義での「自爆テロ」の一種だといえる。
マイクロテロにおける死とは、犯罪行為とその結果与えられる刑罰による「社会的死」である。
ただし、イスラーム原理主義過激派によってなされる自爆テロと異なる点はいくつかある。ひとつは、自爆テロが「殉教」という宗教的要素を含むのに対して、マイクロテロには確たる宗教的または思想的背景が存在しないこと。もうひとつは、自爆テロが「圧政の主体」や「アメリカ」という明確な攻撃対象を持つのに対して、マイクロテロが固定的な攻撃対象を持たないことである。


しかし、その背景となる心情には共通するところがある。
それは、自己の置かれた社会の悲観的な状況、または自己から見た社会に対する悲観的な認識、といったものである。
「自らの社会的境遇、またその状況認識への抵抗として、はけ口としてなされる暴力行為、犯罪行為」という点において、両者は共通している。
ひいては、「社会状況に対する不平不満を平和的手段において訴えることが、社会構造としてできない境遇に置かれた者が、「なんらかの対象」を「総体としての「社会」を表象するもの」と認識することによって、その相手や物を攻撃対象とする」という意味において、自爆テロとマイクロテロは等しいものとなる。


テロの語義が、「一定の政治目的のために、暗殺や暴行、粛清などの直接的な恐怖手段に訴える主義。暴力主義。また、その行為。(国語大辞典(新装版)小学館 1988)」であるというところから、マイクロテロが何らかの「社会的メッセージ」を含むものであることは確かであろう。
しかし、一見して「目的も動機も不明」なため、ほとんどが「異常な事件」や「不可解な事件」としてのみ片付けられ、結果的にそこに含まれる社会的要因には触れられず、容疑者の「歪んだ性格」や「心の闇」といったあいまいで聞こえのいい、メディア的な「わかりやすい原因」に貶められることがほとんどである。


参考URL:
http://miyakoda.jugem.cc/?eid=87
http://d.hatena.ne.jp/umeten/20050204
http://d.hatena.ne.jp/laco/20050219

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