万緑やわれまた植物細胞を持ち 日陰を探して、山の農道に車を停めてぼんやりしていたら、脇の石積みに変なものが目に入った。初めて見るもので、花なのか枝なのか何だか全く見当がつかない。まわりはツタや花の終えたテイカカズラなどが繁茂していて、その隙間から顔をのぞかせていた。 帰宅してネットで調べてみると、「マツバラン」の可能性が極めて高い。 「マツバラン」。 古いシダの仲間でマツバラン科。熱帯や亜熱帯に生ずる結構珍しいもので、静岡県では絶滅危惧種Ⅱに指定されている。根も葉もないらしい。 ただしこのマツバランは、江戸時代に大流行した園芸植物でイワヒバと双璧をなすものだったのだという。中尾佐助著「花と木の…