2005年5月から2024年の現在に至るまで横浜でつづいている勉強会「土曜の午後のABC」の最初期の芸術全般を扱った講義をまとめて一冊にしたもの。上下二段組で本篇全437ページとボリュームは相当なものだが、内容的には平易な言葉でそれぞれの芸術家の基本姿勢とそれに向き合う鑑賞者がとるべき基本姿勢について諄々と語っているため、それほど重くはない。どちらかと言えばマイナーな対象について愛しむように語っているような雰囲気があり、読み手は自分が特に感応したものに関して自分で接してみようと思うようになりやすい。今はスマホですぐに調べながら読むことが可能なので、知らない作家の作品にすぐに接触できるのが心地よ…