モーリス・ルメートル(本名モイーズ・ビスミュト 1926-)フランスのレトリスト。1949年、イジドール・イズーと出会い、レトリスム運動に参加。以後、ドゥボールらがレトリスト・インターナショナルを結成した時には、イズーの側に立ち、以後、終始イズーとともに行動した。50年に発表した著作『イヌとネコ』において、レトリスムに音学的次元を加え、また、より純粋なレトリスムの詩論を完成させるとともに、自ら「ハイパーグラフィック」と名付けた絵文字・象形文字などで構成されたレトリスム絵画や造形詩、[失語詩」と呼ぶ音響詩、『映画はもう始まった』(51年)などの映画まで幅広い作品によってレトリストの最も積極的で革新的な芸術家に数えられる。