イタリアの作家。→アルベルト・モラヴィア。
【Moravia】チェコ共和国の東部の伝統的な呼称。
cf. ボヘミア
ボヘミアン・ラプソディ 第7話 フヴァル 西暦985年9月、臆病王マーティンの長男フヴァルが父からボヘミア王を継承した時、フヴァルは既に50歳になっていた。謙虚で非情、そして好色なこの人物はなによりもその酒浸りな生活で知られていた。長い父の治世の影で王太子として王位を待ち焦がれた男は、そのストレスにより酒に溺れていたのだった。ようやく待望の玉座を受け継いだ時には彼の体はその荒んだ生活により病に蝕まれていた。即位後、すぐに誰もがその治世はすぐに終わると思っおり、その予想は間違っていなかった。 ボヘミア王フヴァルの短い治世の中で一番大きな業績は、「ミルツェニア大族長領請求戦争」に勝利し、ミルツェニ…
ボヘミアン・ラプソディ 第4話 荒淫王ヴァーツラフ 西暦909年、後に初代ボヘミア王に即位し荒淫王という不名誉なあだ名で知られるようになるヴァーツラフが父からボヘミア公爵位を継承した時、彼はまだ12歳の少年であった。国政は執政体制で行われ、父ボジヴォイの3人目の妻であり、ヴァーツラフの義母であったウェセックス家の若きエドギフが摂政に就任する。そして新しいボヘミア公爵が生まれて間もなく、異教徒であるドリイェジュジャニィ女族長によるボヘミア公国への侵略攻撃が開始される。もちろん幼い公爵に指揮権はない。戦争は大人たちの手で進められていく。しかし、子どもには子どもの大人たちとはまた違う闘いがあった。 …
ボヘミアン・ラプソディ 第1話 獅子公ネクラン この物語は西暦870年1月1日、ボヘミア公爵領を治めていたプシェミスル家のネクランがスラブの古い教えを捨て、キリスト教カトリックへと改宗したところから始まる。 当時、ボヘミア公国は西にカール大帝の血を受け継ぐカロリング家の東フランク王国、東に大モラヴィア王国というキリスト教国に挟まれていた。北にはスラブの教えを守るルーサティア大族長領とシレジア大族長領が存在し、地理的に宗教の境界線上に存在していたのだった。 ネクランは悩んでいた。北からは略奪を目的とした襲撃が度々あり、東西からは異教の地として聖戦の対象とされていたからである。襲撃を撃退し続け、東…