ラマヌジャン

インド数学者(1887年-1920年)、整数論等で天才的な発見を数多くもたらした。


以下の表からラマヌジャンの発見の例を見てみよう。

na(n)
11
2-24
3252
4-1472
54830
6-6048
7-16744
884480
9-113643
10-115920
11534612
12-370944
13577738
14401856
151217160

である。


上の数列に、どのような関係があるのだろうか?とりあえず、どんどん大きくなり発散しそうである。また、例えばa(6)を見るとa(2)×a(3)=-24×252、またa(10)もa(2)×a(5)=-24×4830である。よって、nとmが異なる素数であればa(nm)=a(n)a(m)は正しそうである。では、nとmが同じ素数であったらどうであろうか?一番簡単そうな素数2を選んで調べてみよう。a(2)a(2)は-24の2乗で、576なのでa(4)とは直接関係がなさそうである。a(2)a(4)も35328なので、だんだん大きくなるという点では似ているがこれもa(8)とは直接関係がなさそうである。では、a(2)a(2)とa(4)、あるいはa(2)a(4)とa(8)の違いをみてみよう。a(2)a(2)-a(4)は576-(-1472)=2048である、a(2)a(4)-a(8)=35328-84480=-49152であり、再び複雑な数字がでてきてしまった。しかし、ここでプログラミングに詳しい方は2048は2^11であると指摘されるであろう。今は、2ベキの数をみているので、2^11は何か関係がありそうである。さらに、-49152を2^11でわってみると、-24が出る。ここで、-24は最初の数a(2)と一致する。よって、a(2)a(2)-a(4)=2^11と、a(2)a(4)-a(8)=2^11 a(2)を得た。


一方、ラマヌジャンは以下の2式を予想として立てた。

A:a(nm)=a(n)a(m)(nとmを同時に割る素数がない場合)

B:a(p)a(p^r)=a(p^{r+1})+p^{11}a(p^{r-1})(pは素数)

我々が上の段落で考察した結果の拡張である。実際に、上での計算をラマヌジャンの予想した式をあてはめて確認してみよう。

a(2)=-24

であるので、a(4)=a(2^2)は式Bより

a(2)a(2)=a(4)+2^{11}a(2^{0})

を満たしているはずである。実際に、a(2^{0})=a(1)=1であるので

a(2)a(2)-2^{11}a(2^{0})=(-24)^{2}-2^{11}=-1472

となりa(4)と一致する。また、

a(2)a(4)-2^{11}a(2)=84480

となり、これもa(8)と一致する。

実は、式Aはa(n)が乗法的性質を満たしていると呼び、整数論ではよくある関係式である。しかし、今我々が小さな例で確かめてみた式Bはそれ以前に無いタイプの式である。また、上記の数列は整数論で非常に重要なディリクレ級数の係数を並びであり、その意味でも、ラマヌジャンは真の発見をもたらした。


上記の関係は、1916年にラマヌジャン自身の論文

S. Ramanujan. On certain arithmetical functions. Trans. Cambridge Philos. Soc., 22:159-184, 1916.

で予想され。1919年にMordellの以下の論文により証明された。

L. J. Mordell. On Mr. Ramanujan's empirical expansions of modular functions. Proc. Cambridge Philos. Soc., 19:117-24, 1919.


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