www.akashi.co.jp 本書で著者のオレリア・ミシェルは、「人種」という差別的な概念(第二次大戦直後に、ユネスコなどによって、その非科学性が高らかに宣明されたにも関わらず、現在なお猛威を振るっている)の原型を「奴隷制」に見出している。 人類史にあまねく見出される奴隷制の本質をなす特徴について、ミシェルは、人類学者クロード・メイヤス―が1970年代に提起したという「親族/奴隷」システムという二分法的な理論を採用する。つまり「奴隷」とは、故郷の共同体から引き剥がされ、連れて来られた国の親族(再生産)システムには決して入ることを許されない人間存在のあり方である、というわけだ。 『奴隷が原則…