β-グルカン

サイエンス

β-グルカン

べーたぐるかん

ブドウ糖果糖など糖質の最小単位である単糖が多数結びついたものを多糖といい、さまざまな構造や種類がある。多糖の一つにグルカンというものがあるが、これはブドウ糖のみが結合したもので、その結合の仕方によってαとβの二種類に分けられる。

ブドウ糖の分子は、決められた1〜6の番号がつけられた6個の炭素を骨格にして、それらの炭素水素酸素が結合して出来上がっている。1番の炭素には隣りのブドウ糖と結合できる手が一本ついていて、その手の向きによってα型ブドウ糖とβ型ブドウ糖に区別している。α型ブドウ糖が1番炭素の下向きの結合手を使って隣りのブドウ糖とつながる結合様式をα-結合 (α-グルコシド結合)と呼び、同様に、β型ブドウ糖が上向きの結合手を使ってつながる結合様式をβ-結合 (β-グルコシド結合)と呼ぶ。

α型ブドウ糖だけがα-結合でつながった多糖類をα-グルカンといい、大多数のグルカンはこのα-グルカンで、デンプンデキストリン、ポリデキストロースが代表的なものだ。また、β型ブドウ糖がβ-結合でつながったもの、これをβ-グルカンといい、単糖の結合の仕方によってβ(1-4)、β(1-6)、β(1-3)などに分れ、多糖の構造が違うことを意味している。β-(1-4)は紙の繊維質であるセルロースの事であり、β-(1-3)のうちβ-(1-3)-D-グルカンに抗ガン作用が認められることが新しい研究で明らかにされたが、β-(1-6)には抗ガン作用がまったくないという実験結果が出ている。

ベータ-グルカンの効果は、体内の感染細胞やガン細胞を攻撃するマクロファージや、NK細胞、T細胞、キラーT細胞を活性化させる働きがある。この免疫力・抵抗力を高める作用により身体の中に侵入した細菌や異物を排除したり、仮に感染したとしても発病を抑制する抵抗力を与えてくれる。このように免疫力が高まることによって、アレルギー反応を鎮め、ガンなどの腫瘍を抑える効果も期待でき、また、血糖値を下げたり、利尿効果、血圧調整、血中コレステロール中性脂肪値を低下させる作用等もある。

β-グルカンは自然界ではアガリクスやシイタケなどのキノコ類、セルロース酵母などの微生物培養液(微生物多糖)、紅藻などの海藻類に多く含まれ、ユニークな物性や生理活性、特に生体の免疫機能を調節するものがあることが確認され、1975年から相次いで、ガンの治療薬が開発された。それがカワラタケから抽出される「クレスチン(PSK)」、シイタケから抽出される「レンチナン(LNT)」、スエヒロタケから抽出される「ソニフィラン(SPG)」の3種類であり、癌の免疫療法剤として現在、実用化されている。