賢治により生前出版されているのは、2冊だけです。『注文の多い料理店』の童話と。そして、この詩集とされている『春と修羅』なのです。 賢治自身の表現では、詩集ではなく、心象スケッチとして書いているといいます。 法相宗大本山 興福寺の阿修羅像 3つの顔はそれぞれ微妙に異なる表情をしており、戦いの神である阿修羅が、仏教に帰依して、悟りを開いていく様子を表していると言われています。また、上に差し上げられた腕はアスラのさらに原形である古代ゾロアスター教のアフラ・マズダ(宇宙の創造と運行をおこなう生命と光の神)の性格を示し、もともとは月と太陽を持っていたと考えられています。 真ん中の腕は戦闘的だった頃の性格…