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綾波系

(アニメ)
あやなみけい

 綾波系とは、日本のアニメ・ゲーム・漫画作品におけるキャラクター類型のひとつである。TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)はアニメファンの熱狂的な支持を集め多くの作家・作品に影響を与えた。その後、他作品のヒロインキャラが綾波レイによく似ている場合、彼女らを「『エヴァ』の影響を受け綾波レイに似せてデザインされたキャラである」と考える風潮が生まれた。こうした、綾波レイに系譜づけて理解される一群のキャラは綾波系(綾波系キャラ)と呼ばれる。

一覧

 「綾波系」として挙げられる典型的なキャラクターは次のようなものである。

  • ヴァニラ・H (『ギャラクシーエンジェル』 2001)
  • 長門有希 (『涼宮ハルヒの憂鬱』 2003)
  • タバサ (『ゼロの使い魔』 2004)
  • ミカサ・アッカーマン (『進撃の巨人』 2009)
  • 立花かなで (『Angel Beats!』 2010)

 長門、ミカサについては、「旧大日本帝国海軍の軍艦名」という命名の由来を綾波レイから引き継いでおり、明らかに綾波レイが模倣されている。

特徴

 綾波系についての明確な定義や合意はないものの、おおむね、次に列挙するような綾波レイの諸特徴の全部ないし一部を共有しているキャラクターが「綾波系」と呼ばれ得る。

外見上
  • 小柄でスレンダーな体型
  • ショートカット
  • 赤く大きな瞳
性格上
  • 孤独がちで非社交的
  • 寡黙
  • 感情表現が希薄ないし皆無
  • 朴訥とした、あるいは事務的な口調(体言止めの多用など)
設定上
  • 普通の人間ではない
  • 物語の核心に触れる秘密を抱えている

 など。

備考

 『エヴァ』とほぼ同時期のヒット作『機動戦艦ナデシコ』(1996)のヒロインであるホシノ・ルリも、綾波系の特徴に多く当てはまる人気キャラクターである。綾波レイとホシノ・ルリの二人を「綾波系」の原型として措定することも可能であるが、ホシノ・ルリは最初の綾波系と考えられることもある。
 『銀河鉄道999』のメーテルが綾波系の始原として指摘されることがある。
 当然のことながら、制作者によって明言される場合をのぞいては、製作段階でどの程度まで意識的に綾波レイの模倣がなされたかは不明にとどまる。綾波レイに少しでも似ているという理由で広範なキャラクターをむやみに「綾波系」と認定することは、多くの場合無意味であるか、有害である。

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