復古主義的な政策を掲げる日本の極右政党*1。略称は新風。
戦後体制を否定し、日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法の復元*2、ひいては天皇を中心とした政体(国体)への回帰を目指している。
個別政策にも家制度や教育勅語、歴史的仮名遣の復活など復古色の強いものが並んでいる*3。軍事面でも自衛隊の国軍化、兵役義務の復活、早急な核武装などタカ派色を強く打ち出しているが、新右翼の流れを汲んでいることもあって、外交面ではアメリカと距離を置き、アジアを重視する姿勢を示している。ただし鈴木信行現代表の就任後は韓国との国交断絶を主張するなど、嫌韓色を前面に押し出す方針にシフトしている。
98年・01年・04年・07年と4回連続で参院選に公認候補を擁立し、国政進出を図ったがいずれも惨敗を喫した*4。党員資格を有する地方議員が若干名いるものの*5、現時点での政治への影響力はほぼ皆無と言わざるを得ないのが実情である。
また00年代前半になって右派系ネットユーザー(ネット右翼)がネット上で台頭すると、右派色の強い主張や政策が彼らの支持を集めるようになり、特に07年の参院選時にはネット上の各所で新風への投票呼びかけが行われたほどだったが、09年頃から徐々に「在日特権を許さない市民の会」(在特会)を始めとする「行動する保守」勢力や、「my日本」などの右派系SNSコミュニティに注目を奪われてしまい、現在ではネット上で話題に上ることも少なくなっている。近年は嫌韓色を前面に押し出すことで在特会などとの共闘を進め、ネット右翼層からの支持回復を目指している。
新風の党員・元党員が上述した「行動する保守」団体の幹部を務めているケースがしばしば見られる。これは06年11月に発足した*6新風の勝手連組織「新風連」が「行動する保守」の源流の一つとなったためである。
このことから新風が「行動する保守」の総元締であるかのように扱われることもあるが、新風連メンバーの多くは政党としての新風を支持しつつもその指揮下を離れて独自の活動を展開しており、新風の影響力は限定的なものに留まっている。
氏名 | 所属団体(役職) | 新風での役職 |
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瀬戸弘幸 | 外国人犯罪追放運動(最高顧問) | 元副代表 |
有門大輔 | 外国人犯罪追放運動(理事長) | 元東京都本部広報委員長 |
西村修平 | 主権回復を目指す会(代表) | 元千葉県本部代表 |
村田春樹 | 外国人参政権に反対する会・東京(代表) | 国民運動委員 |
金友隆幸 | 新攘夷運動 排害社(元代表) | 元東京都本部世田谷支部長 |
古川英敏 | 草莽愛知実行委員会(代表) | 元愛知県本部名古屋支部長 |
八木康洋 | 在日特権を許さない市民の会(筆頭副会長) | 元茨城県本部事務局長・青年部長 |
岩橋未子 | 在日特権を許さない市民の会(元副会長) | 元愛知県本部副代表 |
西村斉 | 在日特権を許さない市民の会(元京都支部長) | 元京都府本部街宣班長 |
07年参院選時の政見放送(ニコニコ動画より)。