1986年4月、みもざ書房から刊行された井野口慧子(1944~2019)の第4詩集。カバー装画は松岡敏行。装幀は河野勝重。著者は広島県生まれ。 気づいてみると、私の三十代はあっという間に過ぎ去っていました。あまりにも激しい身辺の変化の中で、愛する者の重すぎる死を残したまま。そして同じほどに重い生も。 この十年間に、私自身の微かな足跡として「地球」「水声」に書いてきたものを中心に、五十篇を収めました。娘のことを直接書いた詩は、もうしばらく手元に置いておくつもりです。 <光の錐>という題名は、現在の私の詩作そのものにつながるイメージかと思っています。 この拙い詩集のために、大変貴重な時間をいただき…