1904〜1991。「昭和の黙阿弥」と称される劇作家、演出家。 また、随筆家として、落語・歌舞伎等に関わるものを多く書いた。
これまた、読書メーターにはこの本の登録がないしするのでここに書いておく。歌舞伎の俳優と落語家の思い出噺だが、あまり有名どころは出てこず、不遇な役者、落語家が多いところがいい。特に、二代目の左団次が死んだあとの未亡人の零落ぶりが、はっとするほど胸をうつ。実は私は宇野信夫の戯曲はそれほど評価していないのだが、こういう随筆はいい。どこかで文庫とかにしないかしら。
明けましておめでとうございます。しかしおめでとうを申し上げるのも憚られるくらいの大変な事が元日から発生してしまいました。この寒中に辛い思いでお過ごしの方も多くおられるかと推察致します。羽田空港の事故もあり、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表したいと思います。 筆者の個人的な備忘録として始めたこのブログも、七年目に入りました。今年もマイペースで好き勝手な事を綴って行きたいと思います。鷹揚のご見物の程、お願い申し上げます。新年一回目は、毎年恒例去年の振り返りから始めたいと存じます。しかしまぁ一年の早い事。つい先日令和四年の振り返りをしていたかと思ったら、もう五年の振り返りです。それでは極私的令和…
怪談 蚊喰鳥(1961) [DVD]船越英二Amazon 大映は1959年の『四谷怪談』、1960年の『怪談累が淵』につづいて、この1961年には『怪談蚊喰鳥』を公開した。原作は新作歌舞伎の作者でもあり落語にもうんちくのあった宇野信夫によるもので、監督はすでに売れっ子で前年には『不知火検校』を撮っていた森一生なのだが、特筆すべきは橋本忍がこの作品の構成と監修を担当しているということ。よくわからないが現場での演出は森監督が当たり、橋本忍は現場ではなく外から映画のことを見ていたということだろうか。 出演は盲目の按摩に船越英二、常磐津の師匠の菊次にまたもや中田康子、そしてその情夫の孝次郎に小林勝彦、…
『生きるかなしみ』/山田太一・編/ちくま文庫/1995年刊 近所の家の庭で焚き火をするとのことで日の暮れ方から見物に行くと、家主の友人がひとりふたりとやってきて、八時過ぎには十人少々の集まりになった。二、三人ずつの輪ができてはほぐれ、また別の輪に入って酒を酌み交わす。秋の夜長だなあなんて思いながら世間話に加わっていると、不意にこんなことを言われた。 「こっち側の人ですよね?」 見たところ三十半ば、メガネをかけた細面の男性だった。 「こっち側ってどっち側か、よくわからないけど……」 前後の話から類推すると、彼は新型コロナウィルスをめぐる騒動のなか、自分で調べて考えるところに基づいて行動した結果、…
--- 三遊亭二之吉 堀の内 - 柳家小はぜ 商売根問 柳亭市童 紙屑屋 春風亭柳枝 堪忍袋 春風亭一之輔 笠碁 ~仲入り~ 春風亭一花 四段目 夢丸 お血脈 入船亭扇辰 江戸の夢(作:宇野信夫) --- ※三味線 あさ 【お知らせ】11/15(水)18:45~赤坂・赤坂会館 6階稽古場「夢丸ひとり夢一夜」。 料金:前売3,000円(全自由席)←チケットはお早めに~。 出演:三笑亭夢丸 ※主催:オフィスエムズ
私が初めて会った頃の祖母は、杖を突きながらだけれどもスタスタ歩いていて、まぁ矍鑠としたものだったが、しかし段差は苦手にしていて、年末に長男宅に行って、年明けもしばらくゆっくり過ごして帰って来るのだが、往きには私もお供をして、当時各地の駅で設置が進んでいたエレベーターの位置を確認して、祖母に付いている家人に合図を送りながら、出来るだけ待たせずに乗ってもらえるよう気を配ったことだった。そして私らは1泊か2泊で年内に戻って来る。祖母が戻ろうと云う気分になった頃、父からの連絡を受けて家人が東京駅の新幹線ホームまで出迎えに行くのである。 娘(家人の伯母)の遺産で購入した、駅まで平坦で祖母の足でも5分と掛…
ビッグコミックオリジナル連載『前科者』に出て来た本。 マンガに出て来るのは現在も入手可能な文庫ですが、図書館で借りたのは単行本。 読んだのは初版と同じ1991年、初版から二ヶ月後の三刷です。 巻末に収録作品の底本やかなづかいを改めた旨の「覚書」 表紙イラストは単行本も文庫本も同じです。 カバー装画「無伴奏」岡野博 本文カット 伊藤友宣 筑摩書房 生きるかなしみ / 山田 太一 著 生きるかなしみ (ちくま文庫) 筑摩書房 Amazon あとひと頑張りすれば収入が倍になると聞い て頑張らない人間はただの怠けものという世界 に私たちは生きている。 脳死のひとの臓器を移 植すれば子供は救かるかもしれ…