作ってはつぶす 机上の小さな革命旗 児島庸晃 終戦、それも敗戦という昭和20年8月15日。その日から始まった過酷な日々との闘いは飢えとの戦いでもあった。終戦前の6月私達は別府港より宇和島港へ、宇和島港より疎開先へ向かうバスの始発駅へ。そこでのすさまじい食料の奪いやいは幼い私のおにぎりまでもとられることになる。そして疎開先の南宇和郡内海村須ノ川(今は愛南町)へ。そしてこの地における食料との戦いは飢えとの闘いでもあった。毎日、草を食べ、木々の皮を食べ、終戦を迎える。こんな田舎村に食料の配給などは届かなかったのだ。…以後復興への懸命な努力がなされてゆくたびに人々は心に小さな願望を持とうとした。何かを…