角田光代訳の源氏物語の中巻である。 まずは「玉鬘」から「真木柱」までの、いわゆる玉鬘十帖。夕顔と頭中将との間の娘・玉鬘を中心とした、外伝的要素のある物語である。ここでは光源氏は、親切だけどちょっと面倒くさいおじさんのようである。最後はやや意外な展開で締める。 それから「梅枝」と「藤裏葉」で、いわゆる第一部が幕を閉じる。内大臣(頭中将)が夕霧と雲居雁との結婚を許し、2人は6年ぶりに再開する。明石の姫君は東宮妃として入内。紫の上は初めて明石の君に対面し、互いの人柄を認め合う。光源氏は准太上天皇となり、内大臣は太政大臣となる。盛大な宴の中で、光源氏と太政大臣は、若い頃の想い出を語り合う――。 大団円…