「駅伝競争」は日本で生まれ、すでに約90年の歴史をもつ陸上競技である。近年では「Ekiden」として、国際的にもひろく知られるようになり、国際陸連主催の世界大会も行われている。
駅伝にまつわるコラムを始めるのあたり、先ずは「駅伝」の由来について、かんたんにふれておきたい。『広辞苑』をひらいて、「駅伝競争」の項目を探すと、次のように書いてある。
《長距離のリレー・レース。数人で1チームをつくり、各人が所定の区間を走り、着順または総所要時間によって勝敗をきめる。》
まちがっている……とは言わないが、あいまいで正確さを欠き、およそ広辞苑らしくない大ざっぱな記述になっている。たとえば駅伝が「ロード」の競技であることの記述が欠落している。「数人で……」というのも、表現としてふさわしくない。ならば、どのように考えたらいいのか。
《主にロードを舞台にして争うリレー式の長距離レースである。コースをいくつかの区間にわけ、それぞれの区間を受け持つ走者は、一本のタスキを順次に手渡しながら、ひたすらゴールまで運んでゆく。総所要時間によってチームの順位を争う日本独特の競技である。各区間ごとのスプリットタイムも正式に計時され、最近では「区間第一位」をめぐる個人の戦いも注目を集めている。》
掘りさげればきりがないが、せめて、このあたりまでは書いてほしいと思うのだが、いかがなものだろうか。