円偏波とは、電磁波の偏波の一つ。時間の経過とともに、電界と磁界が回転するものをいう。右回りと左回りの2種類があり、通常、偏波面が時間と共に右に回転する円偏波を右旋円偏波、左に回転するものは左旋円偏波と呼ばれるが、 この逆に定義されることもある。
地上の無線通信では直線偏波が使われるが、衛星通信の場合、直線偏波だと衛星の姿勢によって偏波方向が変わってしまい、偏波面が定まらず受信が困難になる。
そこで、このような時に有効なのが円偏波である。円偏波は水平偏波と垂直偏波の位相を1/2π(90°)ずらして合成したもので、水平偏波も垂直偏波も、また斜め方向の偏波であっても全て受けることが可能である。この特徴から偏波の不一致によるフェージングが軽減できる。