高野長英と高野の筆跡(『近世ニ十傑』国立国会図書館蔵) 「塀のない刑務所」、松山刑務所大井造船作業所で受刑者の逃走事件が起きた。それをヒントに脱走の日本史を書いてみたのが以下のコラムだ。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録せずにワンクリックでお読みになれます 協力者は火あぶりの刑に 江戸時代の蘭学者、高野長英(1804~50)は「切り放ち」という人道的な救命制度を悪用して小伝馬牢を脱走した。放火と闘争の手引きをした使用人は長英より先に捕まって火あぶりの刑に処せられた。緊急時のみ認められた性善説に基く「切り放ち」を悪用したの手段は非道で、同情の余地はない。 しかし、入…