スマートフォン用の表示で見る

黄昏色の詠使い

読書

黄昏色の詠使い

たそがれいろのうたつかい

細音啓ライトノベル。イラストは竹岡美穂

富士見ファンタジア文庫富士見書房)にて全10巻が刊行された。

第18回ファンタジア長編小説大賞佳作。

あらすじ

――『始まり』は、いつ、どこで、どのように始まったのだろう。

クルーエルは、トレミア・アカデミーにて『名詠式』――『Keinez(赤)』・『Ruguz(青)』・『Surisuz(黄)』・『Beorc(緑)』・『Arzus(白)』の五色を基本とし、喚び出したいもの(名詠生物)と同じ 『色』 の触媒(カタリスト)を介し讃来歌(オラトリオ)によってその名前を讃え詠うことで喚び寄せる体系化された召喚理論――の赤色名詠を専攻する女学生。ミアやエイダといった仲の良い友人に囲まれて学生生活を送っていたものの、自分の名詠に対する想いが友人たちのそれとは異なることを自覚していたクルーエルは、自分の前に現われた、五色のいずれとも異なる 『夜色』 を名詠する年下の同級生ネイトに興味を持ち始める。

名詠の練習をはじめ二人の時間を重ねていくうちにネイトを大切な護るべき存在として意識するようになるクルーエル。一方で、名詠を成功させられず腑甲斐無い自分に落ち込むネイト。そんな折、通常では不可能とされる五色全ての名詠をマスターした 『虹色』 名詠士であるカインツをゲストに迎えて名詠を競う競演会(コンクール)が開催され、その直後にトレミア・アカデミー全体を巻き込んだ大事件が起きる。カインツとネイトとクルーエルがトレミア・アカデミーにいるこの時に起きたその事件は、カインツにとっては古い約束を果すための 『夜色』 との邂逅であり、ネイトとクルーエルにとっては 『始まり』 であり、世界にとっては予定された運命の中での出来事のひとつでしかなかった……

これは、今を生きるクルーエルとネイトが、カインツをはじめとした大人たち、そして世界の成り立ちをも巻き込みながら、優しさと強さを求めて成長する物語――