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沖縄ノート

(読書)
おきなわのーと

ノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎が1970年に発表した著作。太平洋戦争末期の沖縄の集団自決などを取材したもの。沖縄戦において住民が「集団自決」などで軍により強制的に自殺するよう追い込まれた状況を記述している。この軍による強制については、沖縄戦専門家は一致して指摘していることであり、また2007年の歴史教科書検定問題や大江岩波沖縄戦裁判でも、関係した専門家や公的機関により確認されている。

「屠殺」表現について

同書の中には沖縄の元守備隊長を「屠殺(とさつ)者」などと表現した文章がある。これは住民が「集団自決」などで軍により強制的に自殺するよう追い込まれた状況を表現したものだ。この表現については

『「屠殺」という表現が保守派・進歩派を問わずに問題視されているが、これは枝葉末節にこだわる近視眼的思考にすぎず、本書の価値を減ずるものではいささかもない。』などの意見がある一方、

評論家・呉智英は新聞紙上で屠殺という表現(※その言葉それ自体のみならず、食肉処理を行うことやその作業者を「残酷、冷酷、不幸、凄惨、衝撃的」などの比喩として使うこと)は差別的だとして、同じような表現は批判され、版元の岩波書店もその見解に賛同してきたのに、大家の大江氏の時は見逃してもらえるのは矛盾だとして批判している。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/107061/

・・・驚いたのは虐殺者(大江の見解での)を屠殺者になぞらえていることだ。
これ、いつから解禁になったのか。虐殺を屠殺になぞらえようものなら許すべからざる差別表現として部落解放同盟と屠場労組の苛烈(かれつ)な糾弾が展開されたことは言論人なら誰知らぬ者はない。

ルポルタージュ「世界屠畜紀行」を、解放出版社から出版した内澤旬子は自身のブログで
http://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/20071203#p1

「うわーびっくりだよこれ。ひょっとして誤植……じゃないよなあ。」
「どういう前後関係で「屠殺者」という言葉が使われたのかわかりませんが、コラムを読む限りでは「虐殺者」という意味で使われているようだ。それならば、屠場労働組合がまさに糾弾対象としている使われ方にドンピシャリだ」

としている。

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