江戸の侍・村尾嘉陵が文化十二年九月八日(1815年10月10日)に仲間4人と連れ立って、今の練馬区高野台にある長命寺に出かけた道筋を辿った話の続き。 peepooblue.hatenablog.com 江戸城の清水門をスタートして、牛込見附跡、神楽坂、江戸川橋、目白坂、雑司が谷を経て、目白駅までやってきた。さらにかつて「清戸道」と呼ばれた目白通りを西へ向かう。 「椎名町の入口に一軒の豪家がある。慶徳屋という。古くからこの地に住んでいる者で、穀物を商っている。この他にも椎名町の商家には貧しそうな家が見当たらない。鼠山の西南、縄手路の左に小径があり、七曲がりに通じているという」 椎名町というのは西…