昭和十七年度(一九四二)には、新校長が着任した。そして、新校長と昨年度新卒で着任した先生と私の三人が、駐在所跡の住宅で自炊生活をすることになった。物資の不如意の中、男三人の自炊生活は、何にしても味気ないものであった。 そんな折、裏山手のお宅で、風呂や夕食に誘ってくれたり、南側の中部電力の住宅にいた駐在員の方が、よく野菜などの差し入れをしてくださった。温かい気持ちがとてもうれしかった。 戦況の報道を聞くにつけ、勝ってもいいことばかりにはならないだろうし、負けても困ったものだと思った。言論統制はますます厳しくなって、河合栄治郎先生は検挙された。 私が世の中を批判したメモを、校長に見つかって、「気を…