自由と民主主義、法の支配を前提とする秩序が危機にさらされている。国際協調体制の立て直しに向け、日本は積極的に行動せねばならない。 外務省は2024年版の外交青書を公表した。昨年1年間の日本外交を総括し、国際情勢の認識や政策の方向性を示したものだ。 青書は、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の悪化などを踏まえ、国際情勢が「歴史の大きな転換点にある」と位置づけた。 そのうえで、全ての人が安全・安心に暮らせる「人間の尊厳」を外交政策の中心に据え、世界を協調に導いていく方針を掲げた。 体制や歴史観の違いで一致できなくても、人類の根源的な価値に焦点を当てることで、協調の基盤を見いだそうという考え方は時…