1892‐1978。中国の文学者、政治家。 1914年日本に留学。福岡医科大(現九州大学医学部)を卒業後、23年帰国、プロレタリア運動に投ずる。27年4月蒋介石の上海クーデター(国共分裂)後、南昌蜂起に加わり、次いで弾圧を逃れて日本に亡命、中国古代史や文学研究に没頭した。37年蘆溝橋事件の直後、日本人妻子を残して帰国、抗日救国の宣伝活動や評論・劇作に活躍した。 中華人民共和国成立後は「民主政治運動」の先頭に立ち、一貫して文化界の重鎮として活躍した。
自伝が好きだ。 第三者による評伝の方が客観的だし正確なのだが、やはり本人が本人を語る、主観のもたらす認識の歪みこそが味わい。さいきん話題のAIの作った文章がたとえどれだけ理路整然としていても、やはり生身の人間のフィルターを通して語られる言葉の熱量には勝てないのである。 その自伝の中でも特に子供時代というのは、時を隔ててすでに失われてしまった生活や風俗についても知ることができる上に、著者の人格の核が形成された時期という点でも面白い。 というわけで「私の幼少年時代 他 郭沫若自伝1」(平凡社東洋文庫)。 郭沫若の著作は他に読んだことがない。文学者なのか考古学者なのかはたまた政治家なのか、近代中国が…
アニメ「薬屋のひとりごと」 実に面白い・・・ ハマっております・・・ストーリーがディープ・・・ 昔から中国ものが好きです 「三国志」から始まり「十八史略」・・・ 貝塚茂樹著「中国の歴史」・・・ 「老子」「荘子」・・・ はては郭沫若の著書・・・ その私が推薦します「薬屋のひとりごと」は面白い (シーズン2が決定したらしい・・・楽しみだ) 以上
2011年3月10日初版第1刷 ・中国に東洋ということばはない。漢字文化を共有する民族が独自の文化を発展させてきたが、そこに共通の価値観というべきものがあり、その価値観が東洋の精神を生む母胎である。明治43年4月福井市生まれ。小学校を終えると、広瀬徳蔵法律事務所に世話になった。夜間商業の京阪商業(現府立守口高校)の第二本科に編入させて貰った。立命館夜間部に入学し、『詩経』と『万葉』を第一段階の読書目標としていた。3年の夏休みに在学中だったが欠員補充の中学教諭に就職した。大学卒業が人より10年遅れたので教授になったのも10年程遅い。論文、『金文通釈』、『説文新義』は一般の読者を対象とするものでは…
Ⅰ.哲学・社会科学 Ⅱ.20世紀の文学・美術 Ⅱ.20世紀の美術 Ⅲ.20世紀の科学 はい、どうもです。 ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。 今回は「20世紀の文化」編です。それでは見ていきましょう。 Ⅰ.哲学・社会科学 (1)生の哲学 ①ベルグソン(仏) ②シュペングラー(独)・『西洋の没落』:ヨーロッパのキリスト教文化は終わりに近づいた (2)実存哲学:不安・絶望・苦悩の中から主体的な在り方を探ろうとする思想 ②ヤスパース(独)・『哲学』 ③ハイデガー(独)・『存在と時間』 ④サルトル(仏)・『存在と無』・『嘔吐』 (3)新カント派:唯物論や実証主義…
1994年1月28日第1刷発行 中国歴史逍遥①から④ 海音寺潮五郎『中国英雄伝』、デュマ『ダンタニャン物語』、中島敦『李陵』、芥川龍之介『英雄の器』、郭沫若『歴史小品』「項羽の自殺」、幸田露伴『運命』、陳舜臣『中国の歴史』、中島敦『弟子』、吉川幸次郎『中国の知恵』、白川静『孔子伝』 まだ読んでいないものばかりである。 白楽天の無二の親友元稹は25歳で書判抜萃科の試験に合格(白楽天は32歳で合格)。執政の耳の痛いことを上疏し朝廷を出され河南の県尉となった後、江陵に左遷させる。白楽天も江州司馬に左遷されたので、文通し詩を贈り合う。晩年尚書左丞にまでのぼった。白楽天は情を捨てきれなかった。 僅か一行…
呂不韋南越人説 呂不韋南越人説 秦の丞相 呂不韋の出身地 不韋県の由来 南越の経緯 呂嘉の一族 漢武帝の処置 財宝の地 南越 陸賈 の商売 呂不韋の商売とは? 先駆者 范蠡 百越遠征 出土する貝の装飾品 結論 秦の丞相 呂不韋の出身地 呂不韋といえば、始皇帝の父親子楚が人質として趙に送られていたのに目をつけて秦王になるようはからい始皇帝を育てた商人出身の秦の丞相で「奇貨居くべし」の故事を残した人だが、いちおう『史記』には「呂不韋者,陽翟大賈人也」とあり今の河南省の禹州あたりにあった韓の商業都市陽翟の大商人ということになっている。ところが『戦国策』では「濮陽人呂不韋」とあるので今の山東省と河北省…
知研セミナーは、「実年期の肖像」シリーズの第一弾。 川柳作家の渡辺和博さんがゲスト。「川柳」をテーマに楽しい時間を過ごした。大阪、岡山、福岡を含めて12人が参加。笑いと納得の1時間半。 以下、渡辺柳山さんの講義のキーワードから。 笑い飛ばす精神。新しい体験を楽しむ。スマホでメモ。ほろ酔い吟。方言川柳。大阪弁。津軽弁。宿題。席題。自由吟。呼名。俳句の川柳化。中心は80代。70代は若手。265年の伝統。文芸。人間諷詠。生きた証として残す。友達が増える。認知症にならない。猫と犬。推敲を楽しむ。公募もたくさん。脳トレ。差別はNG。インターネット投稿。金がかからない趣味。川柳作家になろう。恋愛句。2B。…
「マルクスが孔子に出会ったとき」:習近平が見てほしい映画 2023 年 10 月 17 日周克欣A+ | あ- 中国大統領自身が宣伝したプロパガンダ映画では、マルクスが孔子に同意し、両者とも(当然のことながら)習近平に同意していることが示されている。 周克欣著 中国と西洋の永遠の対立について議論するマルクスと孔子。微博より。 そして今、習近平はあなたに映画に行くよう望んでいます。見逃せない映画が 1 つあります。それは「マルクスが孔子に出会ったとき」です。習主席の下、10月8日と9日に北京で開催された全国宣伝・思想・文化活動会議で中国に紹介されるという栄誉に浴した。 晋平自身。この宣伝会議は、…
演奏会場から出る時、主催者から「平居さん、打ち上げ来ますよね」と声を掛けられた。「え、明日もあるのに打ち上げですか?」と答えると、「メシですよ」と言われた。 のこのこ付いて行ったのは、ミシュランで星こそないものの、「ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる)」に認定されているという居酒屋風のイタリア料理店だった。メンバーは、演奏者の3人と主催者、某音楽評論家、主催者の知人と私のたった7人。最初の30分だけ、NHKの女性ディレクターもいた。 このメンバーが小さなテーブルを囲んで歓談する。もっとも、私にしてみれば、野球少年がメジャー・リーガーと同席しているようなものである。分かってもいないのに分か…
文字霊日記・3345日目 七夕 旧暦七月七日 今年 新暦 2023年・08月・22日 癸卯・庚申・癸丑 織姫星(ベガ)=織女 彦星(アルタイル)=牛郎 逢瀬の有無・是非 白鷺(しらさぎ) 乞巧節(キッコウセツ) 『詩経』 『文選・古詩十九首』 『西京雑記』 漢の采女が七月七日に七針に糸を通す 「乞巧奠(キコウデン)」・・・乞う巧みな奠? 『荊楚歳時記』 針仕事の上達を祈った 六朝・梁代 「殷芸(インウン)」の 『小説』 「天の河の東に織女有り、天帝の女なり 年々に機を動かす労役につき 雲錦の天衣を織り、容貌を整える暇なし 天帝その独居を憐れみて 河西の牽牛郎に嫁すことを許す 嫁してのち機織りを…
汁無しタンタンメン、よだれ鶏、炸鶏排、米線…近年、中華系の方々が増えているせいなのか、様々な中華食材や中華料理が日本に定着していて、中華料理好きとしてはうれしい。 とくに、大好物のよだれ鶏(口水鶏)が定着しつつあるのはとてもうれしい。 よだれどり、どうしても「よだれ」という語感に抵抗ある人もいたが、「よだれどりの素」なんていうソースまでスーパーに並べられるようになって、今ではいちいち 「よだれ鶏のよだれというのは、中国の作家、郭沫若が故郷の味を偲んで、「この鶏料理の味を思い出すとよだれが出る」としたエッセイに基づいたもので、由緒ある名前なのですよ」 といちいち説明を入れなくてもよいようになった…
某海賊マンガ・アニメのアラバスタ編で国をのっとる時、武力以外だったらどうすれば乗っ取れるのかなと思ったことがあります。まして、経済力もない時に他国を落とすにはどうしたらいいのか、難易度は高いです。戦後、何十年もかけて中国が日本をカモにして、日本が危うく乗っ取られそうになったような話です。実際に中国政府は日本のどういった人たちを手中に収めていったのか、是非ご一読下さい。 第一に大事なのが国家ビジョン。自国のビジョンをどう描いて、そのために他国をどうしたいのかを考える必要があります。中華人民共和国を成立させた毛沢東は、共産中国が「戦後アジアの盟主」、そして「世界の超大国になるのだ」という目標を掲げ…
下総国分寺 下総国分寺(下総国分僧寺跡) 天平十三年(741) 聖武天皇によって発せられた「国分寺建立の詔」に基づいて建立された下総国分僧寺の後身で、ほぼ同じ場所に建てられています。本堂の下からは、金堂の基壇が発見されています。 市川橋 → 里見公園 → 国分尼寺跡 → 下総国分寺 → 須和田公園 → 弘法寺 → 市川駅 駅ハイで小岩を巡ったあと、鎌倉街道下道歩きでゴールした時に日が暮れてしまった国府台付近を歩いてきました。心配していた雨雲は南関東までは南下せず、何とかお天気は持ちました。それにしても湿度が高く、蒸し暑い一日でした。これからの季節は熱中症に注意です。 江戸川沿いの土手を歩いて国…
桑原武夫『人間素描』(筑摩叢書)を読む。これは桑原の師友のポートレートを集めたエッセイ集だ。「将来この偉大な博士たちを研究するさいの資料になりうるかもしれない。外的些末事と見えることが、学問や芸術の本質と深くかかわりうるというのが私の考えである」と桑原は書いている。本書はまぎれもなく名著だと言える。 30人近くの学者、作家が取り上げられている。主な人物を挙げると、内藤湖南、狩野直喜(君山)、西田幾多郎、柳田国男、萩原朔太郎、川端康成、郭沫若、アラン、ノーマン、貝塚茂樹、織田作之助、中野重治、三好達治、三上章、今西錦司などなど。 君山(狩野直喜)の藤田嗣治評、 昨年久しぶりに帝展へ行ったが、日本…
1の次は2。 誰しもそう思うところだが、1からいきなり6に飛ぶ。 「抗日戦争回想録 郭沫若自伝6」(平凡社東洋文庫) 自伝1ではまだ血気さかんな少年だった郭沫若、6ではすっかりいい大人。押しも押されぬ文化人であり政治家となっている。 ここで書かれているのは1937年末から1938年末までのおよそ一年、日本の侵略を退けるために国民党と共産党が手を携えた「国共合作」路線をとっていた頃の出来事。 抗日戦争すなわち日中戦争であるが、自国の戦争と言われて、我々がまず思い出すのは太平洋戦争であろう。ざっくり、アメリカに空襲を受けて原子爆弾を落とされて悲惨な目に遭った、的なイメージ。 中国大陸の話になると、…
五年ほど前、色々な文学全集を渉猟した時期に入手しながら長らく書棚に並べたまま開く機会のなかった、河出書房新社版「現代中国文学」を今般漸く繙いた。 先ず手にしたのはもちろんその第一巻、魯迅の作品を集めたものである。 叢書のタイトルからしても、この巻にこの作家が位置するのは当然と言えよう。 因みに、全十二巻の構成は次の通りである。 第1巻 魯迅第2巻 茅盾第3巻 郭沫若第4巻 老舎・巴金第5巻 丁玲・沈従文第6巻 郁達夫・曹禺第7巻 李劼人第8巻 趙樹理第9巻 曲波第10巻 羅広斌・楊益言第11巻 短篇集第12巻 評論・散文 既に二十一世紀も二十年以上経過した現在においては、これらの作家を「現代中…