匈奴が、モンゴル高原を統べ、ユーラシア大草原の東部に帝国を興したのは、紀元前2世紀の序盤である。 それから約 1,500 年後―― モンゴルが、同様にユーラシア大草原の東部に帝国を興した。 モンゴルが、ロシア平原を版図に組み込み、ユーラシア大草原の全域を支配下に置くことで、“草原の帝国”を築き上げたのに対して―― 匈奴が、ロシア平原まで版図を広げることはなかった。 匈奴とモンゴルとで―― 何が違ったのか。 …… …… 中国大陸への侵略の成否である。 中国大陸を―― モンゴルは版図に収められた。 匈奴は版図に収められなかった。 いや―― ――収めようとしなかった。 が真相ではないか。 その好機は…