桜鳥説 「あっさぶ」の語源は、「ハチャム・ベツ=桜鳥・川」と言われています(永田1892)。町史のタイトルが「桜鳥」なのも町名の語源に由来します。最初に「桜鳥」説を唱えたのは教育者として知られる永田方正という人物です。永田は著者『蝦夷語地名解』で「厚沢部桜鳥・川の意なり」とあっさり記述しています。しかし「桜鳥」なる鳥がどんな鳥なのか、実はよくわかりません。ムクドリを「桜鳥」と呼称する地域もあるようですが、果たして永田がムクドリを意図して桜鳥と記載したのかはよくわかりません。 上原熊次郎の「紅粉ヒワ」説 永田に先立つ江戸時代後期のロシア語・アイヌ語通訳の上原熊次郎の『蝦夷地名考并里程記』では「厚…