強制わいせつ罪(きょうせいわいせつざい)とは、犯罪の一つ。
; 刑法第176条(強制わいせつ)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6か月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする(性別は問わない)。
; 刑法第178条(準強制わいせつ)
: 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
; 刑法第181条(強制わいせつ致死傷)
: 第176条若しくは第178条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
児童を脅迫して裸の画像を撮影・送信させた行為を、強要+児童ポルノ製造罪の観念的競合とした事例(佐世保支部r6.2.21) 最近は、強制わいせつ罪・不同意わいせつ罪+製造罪の観念的競合で処理されています。 「送信させ」をわいせつ行為とするのを躊躇して、強要罪で起訴されることがあるようです。 強要罪と製造罪とは併合罪とするのが判例です。強制わいせつ罪とは観念的競合。「一個の行為とは、法的評価を離れ、構成要件的観点を捨象した自然的観察の下で、行為者の動態が社会的見解上一個のものと評価される場合をいう。(最大判昭49・5・29)」というものの、構成要件的観点が捨象されていません。 東京高裁平成28年2…
非接触型わいせつ行為の文献 薄井論文に引用されているとこ 薄井真由子「強制わいせつ罪における「性的意図」」植村立郎「刑事事実認定重要判決50選_上_《第3版》」 3「わいせつな行為」該当性の判断について (1)本判決の分析 本判決は,あくまで性的意図の要否について判断したものであって,性的意図を強制わいせつ罪の成立要件でないとしたことに関連して,行為者の主観的事情が「わいせつな行為」該当性の判断要素の一つとなることがあり得るとしたにすぎない。したがって,本判決は,刑法176条の「わいせつな行為」の定義を直接判示するものではない。もっとも,その判示内容からすると,「わいせつな行為」該当性について…
「ひそかに、同所側溝内に動画撮影状態にしたスマートフォンを設置し、同スマートフォンで同側溝上を通行中の氏名不詳者12名が身に着けている下着の性的な部位を覆っている部分を撮影した」という性的姿態撮影罪は包括一罪(神戸地裁r6.1.26) 性的姿態撮影罪の保護法益は不同意わいせつ罪と接近した個人的法益だと説明されていますが、足下からの下着盗撮はわいせつ行為ではないので個人的法益が薄まって12人でも包括一罪になりますかね。 法務省逐条説明 第2章前説 【説明】 第2条から第6条までの各罪は、人の意思に反して性的な姿態を撮影したり、これにより生成された性的な姿態の記録を提供するといった行為がなされれば…
「送信させ」までをわいせつ行為とするものが増えてきました。 高裁レベルでは、「撮影させ」までなら強制わいせつ罪になって、「送信させ」はわいせつ行為には含まれないとされていて、地裁でこの高裁判例を紹介すると、「送信させ」が引っ込んだりします。東京高裁平成28年2月19日 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関…
送信させるはわいせつではないという東京高裁h28.2.19を超えました。 札幌高等裁判所令和6年3月5日 (2)当裁判所の判断 以上の原判決の判断は、何ら不合理な点はなく、当裁判所も是認することができる。 これに対し、所論は、多岐にわ、たるが、結局、 ①原判示第1における被告人の行為は、遠隔地から被害者に対し、その裸体を撮影させるものであるが、被害者に直接接触するものではなく、被告人が被害者と対面するものでもないから、性的侵襲性は低く、更に被害者をして自慰行為等をさせるなどしたものでもないから、「わいせつな行為」とはいえない、 ②原判示第2における被告人の行為は、アプリケーションソフトのビデオ…