-たかが卵、されど卵-ここまで来たか、最新卵事情 私が幼かった頃の日本では卵が高級食材だった。どこの街にもあった市場の卵屋さんの店先で敷き詰められた籾殻の上にソッと卵が置かれ、買うときはお店の人が卵を一つずつ裸電球に透かして中身をチェックしていた時代の話である。当時は、体調を崩した人へのお見舞いにすることも一般的だった。 あれから数十年。卵は使い勝手のいい食材として食卓を賑わせてきた。だが、昨年末近くから卵事情は急激に変わってしまった。 鳥インフルエンザの影響で前代未聞の値上がりを続けた結果、どのスーパーでも10個100円台後半が当たり前だったのに、今では、200円台後半が当たり前、300円以…