金枝篇

読書

金枝篇

きんしへん

The Golden Bough

1890〜1936年作品。

スコットランド出身のジェイムズ・ジョージ・フレイザー卿(Sir James George Frazer, 1854-1941)の主著。人類学的著作。ある種オカルト本。最強のSFとも。

1890年に初版である上下巻が刊行され、以後版を重ねるごとに増補が繰り返され1915年、決定版12巻で完結。1936年には余論補遺巻を刊行し現在はその計13巻を指す。あまりに長いため著者自身が一般読者向けの簡約版を1922年に刊行している。

Who does not know Turner's picture of the Golden Bough?

政治的、宗教的権力を保持する王は、国を例とする個々の集団と自然的に同一視される(王=国家)。そのため王の身が老化や病などにより死の危険にさらされた時、死を迎える前にその王を他殺し、新たな王を即位させ集団を治める『王殺し』伝承の研究。

呪術は、人形と人間との間に生じる影響などにみられる、類似するもの同士の影響を利用する類感呪術と、一つだったものが分離されても影響を及ぼしあうことを利用した感染呪術の2つに分類できるとする研究結果などが有名である。

人類学民俗学宗教学神話学、呪術、魔術、風習などの考察と資料を纏めた稀な著書ゆえ画期的業績と評価される一方、1920年代以降フィールドワークが主流となった現代の人類学において、当時の偏見に満ちた文化進化主義が人類学の主流を占めていたことを示す、資料的な価値しかないといわれる著書でもある。

フランシス・コッポラ監督『地獄の黙示録』に影響を与えた。魔術や民族、神話に深く触れているため各ファンタジー作品、SF作品の元ネタにもよく利用される。

「金枝」とは伝説上存在で、古代ラテンの聖木とされた槲の木に宿るもの。「宿木」に相当。本編ではイタリア、ネミ湖畔にあった祭祀王が守る聖樹に由来。

本編

簡約版の日本語訳である岩波書店版が特に知られるが、現在、完訳版を国書刊行会が刊行中。

国書刊行会
岩波書店
筑摩書房

図説

図説も出ている。

東京書籍

どうでもいいこと

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