熊取6人衆

サイエンス

熊取6人衆

くまとりろくにんしゅう

京都大学原子炉実験所原子力安全研究グループに嘗て属していたか、もしくは今も所属している6人の科学者達の通称である*1。「熊取」は、同所の所在する大阪府泉南郡熊取町という地名に由来する。

同グループの研究目的は、「原子力災害放射能汚染など、原子力利用にともなうリスクを明らかにする研究を行い、その成果を広く公表することによって、原子力利用の是非を考えるための材料を社会に提供する」こととされている。

メンバー

海老沢徹(1939年-  )京都大学原子炉実験所、退職

小林圭二(1939年-  )京都大学原子炉実験所元助手、元講師、退職

瀬尾健(1940年-1994年京都大学原子炉実験所、故人*2

川野真治(1942年-  )京都大学原子炉実験所、退職

小出裕章1949年-  )京都大学原子炉実験所助教、現職*3

今中哲二(1950年-  )京都大学原子炉実験所助教、現職*4


参照文献、サイト、動画

青木理ジャーナリストの目 熊取六人衆 原子力の危険を訴え続けた真の研究者たちがいた」(「週刊現代2011年4月16日号、講談社、所収)。

「危険性を訴えたら、監視・尾行された 迫害され続けた京都大学原発研究者たち 熊取6人組」(「週刊現代2011年4月23日号、講談社、48〜52頁)。

原子力安全研究グループホームページ(Nuclear Safety Research Group Home Page)』http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/――論文・報告・資料など記事多数。

京都大学原子炉実験所 :::Kyoto University Research Reactor Institute:::』http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/――京大原子炉実験所の公式ホームページ

googleビデオ『なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜』(2008年10月19日放映、大阪毎日放送、約50分)*5

*1:熊取6人組という言い方もあるが、これは文革(文化大革命)時に実に強権的に諸権力を掌握していた中国のいわゆる「四人組」(「文革四人組」)に擬えた〔皮肉な〕呼称ではないかという趣旨のことを小出氏は述べている(これについては、以下に改めて挙げるであろう動画であるところの『何故警告を続けるのか……』を参照されたい)。

*2:著書に、『原発事故…その時、あなたは!』単行本 -風媒社、 1995/6、『完全シミュレーション 原発事故の恐怖』 同上、 2000/1、『チェルノブイリ旅日記―ある科学者が見た崩……』 単行本 - 同上社、1992/7、などがある。

*3:例えば、アマゾン・ジャパンで検索をかけることで析出されて来る諸書籍だけでは満足し得ぬ向きには、以下のページ、即ち、http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0&range=0&count=20&sortorder=1&type=0に於ける出典データをここに紹介しておきたく想う、尤もこんなことは、皆さんとっくに先刻御承知の事とも想われるのではあるのだけれども。…また、この同じ「CiNiiNII論文情報ナビゲータ[サイニィ])」から、「熊取6人衆」の他の方々の諸論考の初出をも、検索結果的に割り出すことも可能である。老婆心ながら付言し置く次第である。

*4:以上の方々の御年齢と肩書きを観比べると、一見不思議で不可解な印象をすら我々は感じうるに相違なかろう。が、このことについては何もこれ以上贅言を積み重ねることはすまい…。しかし少なくとも小出氏に関して云えば、彼自身の意志によって、「誰にも命令をせず、また、命令されもしない」助教(旧助手)職に留まった、ということなのではある。…が、しかし仮に助教授や教授職の公募に応募していたとしても、この国に於ける「反原発」という反「国策」的言説とその論者達が被る圧力と主としてそれによる悲哀等とを鑑みるとき、それですんなり人事が、例えば年功序列的に滞りなく進められて行ったかどうかは一概には判定し得ない、と言うべきであるように想われる。小出氏の慎み深く奥床しい人柄から推すならば、我々は寧ろ、氏の言がそこから拠って来たるところの様々な困難に満ちた背景をこそ忖度する必要すらあるかもしれないのだ、と筆者には想われてならないのである。

*5:以上の動画映像は放送後に、関電関西電力)等から、深夜枠の放送であり、尚且つ番組内に原発推進派、容認派の学者との対論をも盛り込んだにもかかわらず、様々の「圧力」が毎日放送にかかったらしい(例えば、http://www.youtube.com/watch?v=u7b6sKMNApE&NR=1を参照せられたい。)――但し電力会社側はこれらを否定しているとのことではあるが――とかいう曰く付きのもので、上記のグーグルビデオのみならず、例えば以下のユーチューブYouTube)のアドレス上(http://www.youtube.com/watch?v=-pqrpabtm4s)にても、今(=2011/04/1014現在)なら未だおそらく、視聴可能である。〔追記4/27;「GoogleVideoの全てが4/29で見れなくなるようです。」〕もし、かかる圧力が本当の話であるならば、このビデオに登場する学者の方々はもちろんのこと、かかる圧迫に耐え得た毎日放送も、言論人としての一定の称賛に価するだろう。…ところでまた、ここでさらに特に言及して置きたいのは、必ずしもここに登場する人達の全てが完全に原発に反対であるとは限らないということであり、他の地域に原子力発電に伴うリスク(危険)のみを押し付けるのではなく、主要な電力消費地(特に東京を初めとする大都市圏)の近くに発電所を作るのであれば、まだ理解の余地がなくもないとのことなのである(このことについては、例えば『2011.04.11 小出裕章さんインタビュー by 名前のない新聞』http://www.youtube.com/watch?v=gS9hhwpZKLk&feature=player_embedded内の小出氏の発言や、前掲「週刊現代2011年4月23日号、52頁に於ける今中氏の言がその諸典拠となりうるだろう。ここでは特に後者を以下に我々は、――紙媒体を容易には手にしえない向きを勘考するという意味でも――煩を厭わずに引用しておこう。つまり氏曰く、「僕は明確に反原発というわけでもない。東京の人が東京湾原発を作ろうというなら、反対はしないでしょう」とのことであるのだ。…また因みに今中氏は更に続けてこうも言っている。「それから、6人組という呼び方は嫌いなんです。同じ原子力安全研究グループでいまも活動していますが、思想信条だって違う。ただ、一緒に研究している仲間だと認識しています。」)。