序文・伊賀上野出身 堀口尚次 松尾芭蕉〈寛永21年 - 元禄7年〉は、江戸時代前期の俳諧師。伊賀国阿拝郡(あはいぐん)〈現在の三重県伊賀市〉出身。幼名は金作。通称は甚七郎、甚四郎。名は忠右衛門、のち宗房(むねふさ)。俳号としては初め宗房(そうぼう)を称し、次いで桃青(とうせい)、芭蕉(はせを)と改めた。北村季吟門下。芭蕉は、和歌の余興の言捨ての滑稽(こっけい)から始まり、滑稽や諧謔(かいぎゃく)を主としていた俳諧を、蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風として確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人である。ただし芭蕉自身は発句〈俳句〉より俳諧〈連句〉を好んだ。元禄…