頼政による鵺退治のお話。 ARC古典籍ポータルデータベースより 頼政 猪早太(よりまさ)(いのはやだ)源三位頼政が文武兼備へたる勇士にして尤歌道の誉世に高し射術殊に秀たればとて近衛院の御時勅によつて雲間の怪鳥を射る家臣猪早太なるもの有力勝れたり 射落す処の獣を刺殺す高倉の宮をすすめ平家を亡さんとして敗軍し扇の芝に自害す辞世の歌埋れ木に 花さくことも なかりしに みのなるはてそ あはれ成けり ーーー 鵺退治のくだり、平家物語上巻から。 近衛天皇がご病気になりました。毎晩丑の刻になると御殿の上に怪しい黒雲が漂い、天皇は怯えます。高僧がお経を読んでも効果なし。公卿たちは話し合いました。 昔、堀河天皇…