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故障率曲線

(サイエンス)
こしょうりつきょくせん

機械や装置の使用時間tと故障率λ(t)の関係を表示した曲線のこと。使用時間の経過により,初期故障期,偶発故障期,摩耗故障期の3つに分けられ,それぞれに特徴的な故障率パターンが順次現れる。

「初期故障期」では,製品使用時の故障率が高く次第に故障率が低下していく。故障率λ(t)はtの減少関数となる減少故障率(DFR:Decreasing Failure Rate)で記述される。量産品などを使い始めるときに生じる場合が多く,故障しやすい欠陥を持った製品がまず故障し,これら欠陥が取り除かれるに従い故障率も低下するような場合で,これはいわゆる初期故障が出現するような期間に相当する。良品と不良品が混在している製品の使い始めや人間の幼児死亡期などに見られる。
続く,「偶発故障期」では,故障率は時間の経過に寄らず一定となる。故障率λ(t)は時間経過tに無関係な定数となる定故障率(CFR:Constant Failure Rate)で記述される。いろいろな故障原因やストレスのランダムな混入により,故障が偶発的に生じるような場合で,「初期故障期」で不良品が取り除かれた後の,多くの部品から構成される複雑な量産費などの安定期間に相当する。比較的複雑なシステムや人間の働き盛りの時期に見られる。
最後に迎える「摩耗故障期」では,故障率は時間の経過により増加していく。故障率λ(t)は時間経過tの増加関数となる増加故障率(IFR:Increasing Failure Rate)で記述される。この時期はいわゆる劣化が進行している期間であり,摩耗や老化などにより,多くの同種の装置が集中的に故障し始める頃の故障率に相当する。使用時間がその装置の寿命に近づいて,本質的に寿命が切れる時期に見られる。

機械や装置を長く使い続けるためには,「摩耗故障期」入ることを遅らせるとともに,「摩耗故障期」に入った装置に適切な保守を行うことで故障率λ(t)をできるだけ小さくし,事故や故障を未然に防止して長寿命化することが重要である。

故障率曲線はこれらの故障率が減少する「初期故障期」,故障率が安定する「偶発故障期」,故障率が増加する「摩耗故障期」の3つの故障率パターンからなる。この曲線の形状がいわゆるバスタブに似ていることから,「バスタブ曲線」とも呼ばれる。

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