著: 能美舎 堀江昌史(ほりえまさみ)海に憧れていたはずの埼玉県民、琵琶湖の美しさに感服 森岡賢哉撮影2013年、前職の全国紙記者として滋賀県に赴任することが決まった時、「滋賀? 琵琶湖……?」となったのを覚えている。正直、琵琶湖以外何も浮かばなかった。私は埼玉県出身で海へのあこがれが強く、「海無し県」への異動に少しがっかりしていた。ところがどっこい。初めて琵琶湖岸に立ったとき、海と見まがうほど広大な水平線に驚いた。寄せては返す波。風が強い日には、白波だって立つ。雨あがりには、遮るものがない湖上に、大きな虹の橋がかかる。あっという間に、琵琶湖が大好きになった。仕事で落ち込むことがあっても、琵琶…