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五時教

(読書)
ごじきょう

五時教判でまとめられた五時八教のこと。
教判(教相判釈)とは、種々雑多な経典が順不同で伝来した中国で、経典の序列、「勝劣浅深」の判断のために行われた仏教的文献学。天台宗の開祖・天台智ぎが成立時期別に五つに整理したのが五時教判であり、華厳時三十七日、阿含時十二年、方等時十六年、般若時十四年、法華涅槃時八年とされる。それにより法華経を上位に位置づけるのが天台宗の教義であり、最澄が日本に伝えた。
釈迦が悟りを開いて後、説法を行った50年ほどの期間を、5つ(=五時)に分けたものとされるが、各経典の歴史的な成立時期は五時教判とは異なることがわかっている。

  1. 華厳時(けごんじ)
    • 成道後、すぐさま華厳経(大方広仏華厳経)を説き、悟りを表明する。
  2. 鹿苑時(ろくおんじ)*1
    • 悟りを開いてから、初めて説法を行う。阿含経を説く。
  3. 方等時(ほうどうじ)
    1. 小乗経を説く。・・戒律などの形式を重視し、個人の救済を目的とする教え。
    2. 大乗経を説く。・・人間全般の救済を目的とする教え。
  4. 般若時(はんにゃじ)*2
    • 般若波羅蜜(はんにゃはらみつ)を説く。完全な智慧を完成させる。
  5. 法華涅槃時(ほっけねはんじ)*3
    1. 法華経(=妙法蓮華経)を説く。
    2. 涅槃経(=大般涅槃経)を説く。

大鏡  序

つてに承れば、法華経一部を説き奉らむとてこそ、まづ余教をば説き給ひけれ。それを名づけて五時教とは言ふにこそはあなれ。

*1:「鹿苑」は、インドにあった林園で、鹿の苑とも。釈迦が初めて説法を行い、5人の出家僧(比丘)を導いた場所。

*2:「般若」は、迷いを離れて、物事の真相を見抜く最高の知恵のこと。

*3:「涅槃」は、燃え尽きて、一切の煩悩を消し去った状態のこと。また、釈迦の入滅も意味する言葉。

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