五時教判でまとめられた五時八教のこと。
教判(教相判釈)とは、種々雑多な経典が順不同で伝来した中国で、経典の序列、「勝劣浅深」の判断のために行われた仏教的文献学。天台宗の開祖・天台智ぎが成立時期別に五つに整理したのが五時教判であり、華厳時三十七日、阿含時十二年、方等時十六年、般若時十四年、法華涅槃時八年とされる。それにより法華経を上位に位置づけるのが天台宗の教義であり、最澄が日本に伝えた。
釈迦が悟りを開いて後、説法を行った50年ほどの期間を、5つ(=五時)に分けたものとされるが、各経典の歴史的な成立時期は五時教判とは異なることがわかっている。
大鏡 序
つてに承れば、法華経一部を説き奉らむとてこそ、まづ余教をば説き給ひけれ。それを名づけて五時教とは言ふにこそはあなれ。