1958年東京生まれ 首都大学東京 都市教養学部研究員<著書>
「死 (Mort) の哲学」(河出書房新社) 「存在と差異 : ドゥルーズの超越論的経験論」(知泉書館)<訳書>
「近代哲学史講義 ; 霊魂論講義 」アンリ・ベルクソン(法政大学出版局) 「狂人の二つの体制」ジル・ドゥルーズ(河出書房新社) 「初期ストア哲学における非物体的なものの理論」エミール・ブレイエ(月曜社)
先日ジル・ドゥルーズの『ニーチェと哲学』(原著 1962, 国文社 1974)をちょっとした永遠回帰の実践のつもりで足立和浩訳で久方ぶりに読んでみた。現在流通している訳書は河出文庫の江川隆男訳(2008)だが、珍しく学生時代に購入した書籍が残っていて、その際同時に読んだ解説がしっかりしていたので足立和浩の現在が気になって調べてみた。デリダの『グラマトロジーについて』やブルトンの『通底器』、サルトルの『弁証法的理性批判』などの訳者でもあり、相当の目利きであり実力のある研究者であろうと思うのだが現時点で名前をあまり聞かないと思ったら1987年に46歳という若さで亡くなっていた。Wikipediaに…
超越的な規範としてのモラルから、生に内在する生を肯定する力としてのエチカへの転回。 ドゥルーズの著作の中では特異なスタイルで書かれた『カントの批判哲学』に関して、カントは自分にとっての敵であったがゆえにほかの著作とは異なるスタイルとなったといった趣旨の発言を行ったドゥルーズの哲学の全貌を、単なる受容ではない能動の契機をはらんだところの新たな感性論を形成することでカントの批判哲学をやり直す哲学として描き上げた論考が、江川隆男の初の単著であるところの本書である。 カントの現象の一義性の思考に対するに、ドゥンス・スコトゥス、スピノザ、ニーチェに見られる存在の一義性の思考、とりわけスピノザの思考を参照…
antique-bicycle-5ae.notion.site 9/1 Fri 出社、といっても午後の比較的電車に人の少ない時間に移動しているため負担は少ない。同期らに会ったがなんだかひっきりなしに喋っており、うるさい。赤見かるびがうるさいなあって言った例のシーンがあったが、あんな感じでうるさいと感じる時にうるさいなあと言って周りを萎縮させることがままあった。いまはその場を離れることで対処している。バフティヤル・フドイナザーロフ『ルナ・パパ』大傑作だった。冒頭の馬爆走シーンからしてすべてが全力で動いており、兄のナスレディンが氷の中の魚を見ている時に「彼にとってはすべてが生きているのよ」というセ…
【〈哲学する〉を学ぶ ① シラバス】 ◆ 目的: 哲学や哲学史に興味を持って学びはじめた人が陥りがちなのは、著名な哲学者が言ったことをストックしておいて会話のここぞというタイミングでビシッと挿入してみたり、知性を感じさせる独特な響きのある概念を上手に使うのに凝ったりすることを哲学だと思ってしまうことです。私もそういう時期を経験しましたのでそうした行為の楽しさや気持ちよさを覚えていますが、その行為自体は〈哲学する〉こととほとんど何の関係ありません(場合によっては「哲学カラオケ」と呼ばれて揶揄されます)。 ここでは、哲学由来のカッコいい言葉をカッコよく使うような哲学の学び方・使い方から一歩進んで、…