ユダヤ人だったビリー・ワイルダーは、大戦終了直後にベルリンを訪れ、家族がアウシュヴィッツで虐殺されたことを確信したという。 ワイルダー監督戦後最初の作品が、深刻な内容ではなく明るく楽しい作品を選んだ気持ちもわかる気がする。日本でも木下恵介監督が戦争が終わったら明るく楽しい青春映画を撮りたいと切望していて1946年「わが恋せし乙女」を作ったように。 「皇帝円舞曲」(1948年)は、20世紀初めのオーストリアが舞台のミュージカル作品。主演は、「ホワイト・クリスマス」などの数々のヒット曲を世に出しミュージカル映画にも多数出演し人気のビング・クロスビー。やはり彼の歌声はこの映画でも聴きごたえ十分。 共…