降着

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降着

こうちゃく

主として競馬において他馬への進路妨害など、何らかの不利を与えた加害馬に対する制裁制度。

上位に入線した加害馬は被害馬の次の着順まで繰り下げられ、被害馬より先着した他馬は一律に着順が繰り上がる。被害馬が加害馬より先着した場合は着順の変更が発生しない。


JRA降着制度が導入されたのは1991年からで、以前の制裁制度は失格のみであった。導入については加害馬及び被害馬の入線状況(双方が馬券に絡む上位入線した場合など)によらず失格処分となることによる馬券購入者への是正などの理由がある。この制度の根拠は「加害馬は被害馬に対してのみ責任を負うことが合理的であり、進路妨害についての措置は加害馬・被害馬の関係に限定しすべき」「出走馬については、その競走で示した能力(到達順位)を可能な限り尊重すべき」という2点。なお、現在も他馬に対し競走中止や落馬などの深刻な不利を与えた場合は審議の上で失格処分が適用される。加害馬はパトロールフィルム(記録映像)や被害・加害者騎手への確認の上で裁定委員会によりすみやかに審議され、降着が妥当と判断された場合には着順が変更される。馬券に絡まない下位入線馬の審議については、上位入線馬の着順確定を優先し審議の結果を後回しとされる場合もある。

加害騎手には追って戒告、制裁金、騎乗停止処分などが下される。降着が成立しない場合でも制裁金が発生する場合もあり、また加害が競走馬の気性による場合は加害馬の調教再審査が行われる。馬券購入者には確定までに場内放送で審議の経過、結果が逐一放送され、審議の根拠となるパトロールフィルムも公開される。


主な降着

GI競走での1位入線による降着JRA史上2度発生している。


1991年10月27日に行われた天皇賞(秋)にて、武豊騎手が騎乗したメジロマックイーンは1着に入線したものの発走直後にプレジデントシチーの進路を妨害したとして、被害馬の次の着順である18着への降着処分が下された。この裁定により2位に入線した江田照男騎手騎乗のプレクラスニーが繰りあがりで優勝馬となった。

・2006年11月12日に行われたエリザベス女王杯にて、本田優騎手が騎乗したカワカミプリンセスは1位に入線したものの、ゴール前の直線走路でヤマニンシュクルの進路を妨害したとして、被害馬の次の着順である12着への降着処分が下された。この裁定により2位に入線した福永祐一騎手騎乗のフサイチパンドラが繰りあがりで優勝馬となった。