※ 2023.4.16 に書いた中国語バージョンを翻訳したものです。 内田善美先生を知ったきっかけは、20世紀の百合漫画を考古する時に読んだ『ひぐらしの森』だった。 主観的に70、80年代の百合漫画は複雑で強烈な物語や批判的思想に長けていて、 同時期に発達してきた少女漫画的表現は勿論用いているものの、とりわけ印象的な表現は少ない印象。 そんな中で、1979年の『ひぐらしの森』は、緻密な情緒を全編に漂わせる独特な表現を前面に出し、 その少女漫画的でない規則的なコマ割りで少女漫画的表現を超越し、自分にかなりの衝撃を与えてくれた。 内田の主人公達の多くは内向きで思い耽ることが多い。 心理描写はストー…