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国家法人説

一般

国家法人説

こっかほうじんせつ

1 概念 国家を法律学上は統治権をもつ法人とみる学説。19世紀ドイツにおいて、アルブレヒト(Wilhelm Eduard Slbrecht 1800-76),ゲルバー(Karl Friedrich Wilhelm von Ferber,1823-91),イエリネックらによって説かれた。彼らは、王権神授説に対抗するとともに、国民主権の原理に立った社会契約説にも反対し、国家に国家であるゆえの権威を承認した。主権論としての国家主権説に対応する。


2 歴史的意義 この理論は、その発生当初は、ドイツに伝統的な古い国家理論に対する批判原理として意味があったが、19世紀末から20世紀前半にかけての歴史の発展は、この理論の国民主権説との相違を際立たせるようになった。

そのためこの理論は、ドイツ立憲君主制を守る役割を担ったと評価されている。

日本では、美濃部達吉天皇機関説が著名であるが、当時の状況の下では、この説も神権説的国家論に対抗する役割を担うことができた。そのために、第二次大戦後もこの説を批判する発想が弱く、憲法国民主権主義に転換したのに今なお憲法理論に大きな影響を与えている。

法律学辞典 第三版 有斐閣より