エンゲルベルト・ケンペルは、1651年9月16日にドイツ北部の街レムゴー生まれの医師、博物学者で1690年にオランダ商館の一員として来日、92年に日本を離れるまでオランダ商館長の江戸参府に1691年、92年の二度随行しました。当時の将軍は綱吉で、眼前のオランダ人に関心を持ち、ケンペルも将軍の命を受け、踊ったり、飛び跳ねたり、歌ったりしたことを記しています。日本からの文物を本国に持ち帰ると、1712年に『廻国奇観』を刊行、ラテン語で900頁からなり、ペルシアの旅で得た知見が主ですが、いくつかの日本に関する論文を含んでいました。序文で今後、『今日の日本』『ガンジス以東の植物界の図鑑』『旅行記』を刊…