阪急2800系の置き換えの目的で1975年より製造開始した京都線特急用車両
阪急京都線の特急1時代を築いた車両でもある。
車両は2800系同様2ドア、2800系よりも扉を端に寄せたのも特徴。車内は転換クロス。まさに特急として生まれてきた車両である。
1976年にはブルーリボン賞も受賞。
特急の停車駅増加によって2ドアであることがネックになっていたため、2010年2月末に京都本線での運用から引退した。一部の車両は嵐山線用として転用されている。
京都線特急運用時代の車内おもに特急で使用されることから、座席は運転室直後の2人掛けロングシート以外は全席クロスシートとしている。クロスシートは扉に接する部分以外は全て転換式で、終点での折り返しの際には運転室のスイッチ操作で一斉転換が可能である。駅に掲示されている時刻表やポケット時刻表には2扉車である旨(◆印)の記載があったが、2008年7月以降は女性専用車両の表示(◆印)に代わっている。また、ラッシュ時以外は扉部分に設けられた補助席を使用できるようになっている。
座席表地は一般車と同じゴールデンオリーブ(緑)色であるが、段織モケットとして差別化を図った。クロスシート上部にはレザー製のカバーが装着されている。座席の袖はデコラ張りとされたが、6330Fではモケット張りに変更した。
落成当時は車内に吊り広告が設置されておらず、1990年代にようやく設置されたが、広告は他系列と異なり片面1種類のものが使用され、数は一般車が1両あたり6列なのに対し4列と少ない。また、各扉上の広告・路線図掲示スペースは、他系列では出っ張りであるが、本系列だけは窪んでおり、扉上部のカバーを開けて中から取り替えることになっている。
特急停車駅の増加に伴い、各扉周辺で吊り革が増設された。
1987年に河原町側先頭車(8号車・6450形、6430形)にカード式の公衆電話が設置された。特別料金不要の列車に使用される車両としては日本初である。
阪急9300系の増備に伴い一部編成がリニューアル工事を受け、4両編成とした上で嵐山線へと転用されている。
リニューアル内容は
など。
6354Fは2011年に観光客向けの列車への充当を目的として京風に更新工事が行われた。
車体には、京扇をデザインしたラッピングが施されており、6両編成のうち、3号車と4号車を京町家をイメージした車両、それ以外を京唐紙をモチーフにした車両とし、趣のある車内空間を演出している。