三位一体の神話

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三位一体の神話

さんみいったいのしんわ

光文社該当サイトより転載

 その年、そしてその7年後、二つの殺人事件が起きた――。

 第一の事件の犠牲者尾瀬路迂(おせみちゆき)。彼は「超特急遅筆作家」であり、批評家でもあった。尾瀬の才能に劣等感と敵意を抱く作家、葦阿胡右(いくまひさあき)に殺害されたのだ。しかし、遺体の側には自筆の遺書があり、自殺と断定される。その断定に疑問を持ったのは尾瀬の娘、咲梨雅(えみりあ)のみだった。