タイトル『夜の鳥』(福武文庫) 著者:トールモー・ハウゲン 山口卓文 訳 主人公の少年ヨアキムの目線で語られる日常と想像力の豊かさにグングン引き摺り込まれてあっという間に読み終えた。子供ならではの空想力が肥大すると、見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたりする。この少年ヨアキムはタンスの中から出てくる大量の鳥を見る。だから眠る前に箪笥に鍵をかけ、ベッドの下に何かがいないか確認しないと安心できない。 私も子供の頃、寝ている時に巨大な芋虫の影が壁に映っているのを見たことがある。さらには両親の腹の上にちいさな芋虫が歩いている姿もはっきりと見たし、今でもその光景を覚えている。夜中に飛び起きて…